フリー百合ゲージャーニー

旅することでやっとこさ自分になれる

2本目「歌劇戦隊ローゼンナイツ」

ベルばらのオスカル、セーラームーンのウラヌス、プリキュアのキュアショコラ、プリパラの紫京院ひびきなど。乙女でオタクならこのキャラたちにピンと来たはず。そう、男装の麗人です。どの世代でも一度は心を奪われた方が多いんじゃないでしょうか。わたしもその中の一人でした。彼女たちは男性にはない、しなやかだけど凛とした美しさがあります。

さて、男装の麗人を語るうえで外せないのが、宝塚歌劇団ですよね。生きているうちに観劇してみたいとは思いつつ、わたしの世代よりも少し上の世代からの人気が高い印象があり「敷居が高そう……」と思ってなかなか手が出せない……。でもいつかは……。いつかは……。

ということで(?)フリー百合ゲージャーニー2本目、煌月あや様作「歌劇戦隊ローゼンナイツ」なんですが、宝塚のような中世的な女性キャラを攻略できる、且つ歌劇と戦隊と恋愛の3つを楽しめる乙女ゲーム(百合)と聞いてうきうきになってプレイしましたので少し感想をのこしときます。

 

あらすじというかストーリー

指揮者をしている父が海外に長期出張になり、祖母のところへ預けられた桃山 里桜(名前変更可)は祖母の勧めで『ラビアンローズ女学院』高等部。通称・薔薇女に通うこととなった。しかし里桜はその帰り道で強盗に人質に取られてしまい一触即発……といところに『歌劇戦隊ローゼンナイツ』と名乗る仮面3人組に助けられる。そしてその3人組が去った後、薔薇女の生徒手帳が落ちていることに気付き中を見てみると、学園中の人気を集めている白鳥 真澄の手帳だということが分かってしまった。お礼も兼ねて届けに行くが、そこでローゼンナイツの3人の正体を本当にばらさないか蒼海 静に疑わてしまい、朱雀院 姫子からは「仲間になれば正体は誰にも話せないでしょう?」と半ば無理やり歌劇戦隊ローゼンナイツのピンクにされてしまう。

攻略対象は3人+1人(隠し)+1人(友達)で、色々なイベントを乗り越えつつ各ルートに入っていく感じです。ストーリー自体はどのルートも共通なので、既読スキップを使えばサクサクとクリアできると思います。時間は1人目40分くらいで、全キャラ攻略するのは2時間もしませんでした。

あと、この作品、なんと、一部ボイス付きなんです!!すごい!!それについても下で語ります。

 

ここからネタバレ、スチルバレありなので注意

 

おおまかなストーリーの流れはほぼ一緒で、攻略対象とオーケストラに行く→同級生(女の子)に折檻される→演劇で姫役をする→高く売られるために拉致される→助けてもらってパーティーに行く→エンドって感じですね。

なので各キャラのルートや印象について書いていこうと思います。

 

まず1人目に攻略したのは、白薔薇の君こと白鳥 真澄

まさに白馬に乗った王子様、みたいなタイプですね。女の子ですが(ここ大事)!!でも、激重感情抱きがちなわたしは真澄が彼女だったら不安になりますね……。「どうせ誰にでも優しくするんでしょ!?」って笑。一切関りがなくてもいいので、遠くから憧憬の念を抱いていたいです。

まあそんな私事はどうでもよくて、幼い頃はとても身体が弱かった真澄さんでしたが、見かねた祖父が身体を鍛えるために空手の道場に通わせたとか。でもきっと幼い頃から女の子にモテていたんでしょうね。優しい病弱の美形はモテますからね、金髪だし。ええ。

あと、最後らへんのやり取りが好きなんですけど、桃山が「アリスは白兎になかなか追いつけないんですよね。追いかけても待ってくれなくて、アリスは不安になるんです。」と言ったのに対し、「知ってた?白兎はアリスのことを待ってたんだよ。最後には会えるんだよ。」と言うんです。アリス=桃山、白兎=真澄なのは言うまでもなく分かるんですが、両想いなのにすれ違いが起きるという点でも一緒で(原作未読なのでこの二人のやり取りだけで推測してます)いいですね。

ただ、この真澄さんのボイス、イントネーションがすごく気になります。台本のセリフをそのまま何も考えずに読んでる感があって、いわゆる棒読みですね……。キメ台詞とかのときになんとなく笑ってしまいます。ロボットの読み上げみたいに喋られると、本当はお前そんなこと思ってないだろ!って思ってしまいます。それはそれで萌えるからいいんですがね。笑

 

そして次に攻略したのが、蒼薔薇の君こと蒼海 静

物言いがはっきりとしているクール系の王子様(女の子!!)ですね。攻略対象の中ではいちばん怖そうですが、いちばん信用できそうです。それにこういう子がふとした時に笑うとかわいさ倍増でいいですよね。ギャップ萌えですね。

蒼海さんは、お昼休みに中庭でお昼寝するのが好きなようです。こういうクール系のキャラってお昼寝すきですよね(偏見)。多分ですけど、普段隙を与えないような子が無防備になっているのが皆さん好きなんでしょうね!わたしも好き!!

あと、珍しいなーと思ったのが、クール系キャラって甘いもの好きそうじゃないですか?(偏見)。食べ物の好みの選択肢で「蒼海さんは絶対甘いもの好きでしょ!」と思いクリックしたら、辛い物のほうが好きって言われて少し驚きました。そこはギャップ萌えじゃないんだ!って。笑。そんなところもかわいいです。蒼海さん。

ただこの蒼海さん、クールに振る舞っているのはわけがありまして、自分のことを利用する人たちがまわりに多くて人間を信用できなくなっているのです。桃山のことも、そういう人間じゃないってことを感じてはいたが、怖くて一歩踏み出せなかったみたいです。不器用なんですね。桃山がその傷を癒やしてくれるでしょう、しあわせになってほしいです……切実に……。

 

それでは3人目。紅薔薇の君こと、朱雀院 姫子

すごい名前ですね……!姫子さんはガチの素のお嬢様、みたいなキャラです。まともかと思えばいちばん突飛なことを言います。多分どちらかと言えばまわりを振り回すタイプのお嬢様です。本当におほほほって笑います。優雅ですね。常に各務が傍にいます。絶対ローズの香りがしますよね。どこを歩いてても残り香で分かりそうですよね。

でも、他のキャラと比べると姫子さんは、バックボーンが謎というか、明かされていないことのほうが多い気がしました。各務は何者なのか、姫子さんのことをどう思っているのか、姫子さんの家族はどうなのか、過去になにかあったのか、など知りたいことが多いですね。ただ単にわたしの見逃しで情報不足だったら申し訳ないです……。

あと個人的に、姫子さんと桃山が並ぶと赤とピンクでかわいいなあって思います。女の子って感じがしていいですね。真澄さんや蒼海さんみたいなイケメン女子の百合も好きだけど姫子さんみたいな美女との百合がやっぱり萌えます。

ボイスについては、喋った後にカチっていうマウスの音なのかな?が入るのが気になるくらいでした。気にならない人は気にならないだろうなってレベルの問題ですが……!

 

さてメイン3人の攻略が終わりましたところで、隠し(なのかな?)キャラいきましょう!

若くして理事長代理を務めている、黒薔薇の君こと、黒鳳 夜銀さんです。

歌劇戦隊ローゼンナイツのブラック兼指揮官もしている黒髪ロングイケメン(もちろん女!!)です。個人的には、黒鳳さんのルートが一番過去がしっかり練られていてストーリーに深みがあったなあと思いました。

黒鳳さんのおばさんと桃山のおばさんはこの薔薇女出身の友人で、卒業してからもときどき会っていたようです。そのときにおばさんに連れてかれた桃山は、学校で迷子になってしまいました。誰とも遭遇できず、打ちひしがれているときに綺麗なピアノの音色が聞こえてきて、そこで桃山はピアノを弾いている黒鳳さんと邂逅します。

数年後、再会したとき桃山はそのことを全く覚えていないんですが、黒鳳さんは自分のピアノをきれいだと言ってくれた桃山のことをずっと気になっていたようです。上の画像セリフ参照。

いやあ、黒鳳さん、若い時もイケ美女だったんでしょうね……。再会したときに覚えてなかった桃山が不思議ですね。でも確かにわたしも小学生の頃「この子すごい綺麗……!!」って思った同級生がいましたけど、名前とかパーソナルな情報とか全然覚えてませんね。そういうものなのかもしれないです。笑

ボイスについては、黒鳳さんが喋っているときだけホワイトノイズ?が気になりました。でもこれもわたしの気にしすぎかもしれませんね。録音環境がきっと今の時代と比べると良くないのかもしれないですしね。

 

さあ、残るは同級生エンド!二階堂 レナちゃんです!

お上品なお嬢様です。一か月分のお小遣いを真澄さんのブロマイド買うのに使ったりします。健気でかわいいです。攻略キャラに近付きすぎると気を付けてね、と忠告してくれます。わたしは最初、この子が黒幕なのでは!?と思ってましたがめちゃくちゃ気のせいでした。とてもいい子なんです。個人的に、このゲームの中でいちばん見た目がタイプですし、桃山とくっつけるなら?と聞かれたら、レナちゃんがいちばんしあわせになれそうで、良い気がします。絶対いい奥さんになれるもん……!!

上の画像のセリフに至った経緯なんですが、文化祭の帰り道で桃山レナちゃんと他複数の女の子が悪い人に誘拐され、金持ちに売り飛ばされそうになります。そんなとき、桃山は冷静にローゼンナイツの小型通信機を使い、仲間たちを呼び、間一髪で助かります。その姿を見て感動したレナちゃんは真澄推しだったのに桃山推しに推し変します。遠い存在の真澄さんと違って、身近にいることができる桃山のほうがいいんですって。ちなみに、桃山は文化祭の劇でお姫様の役を演じるんですがその頃から桃山ファンがちらほら増えているらしいです。いいですね。桃山もそのうち桃薔薇の君……なんて呼ばれちゃったりして。笑

 

攻略キャラについてはこんな感じでした。

みんなそれぞれ魅力があっていいですね。できればもっとキャラクターのことを知りたかったです。もう少しシナリオのボリュームを増やして、このゲームの独自性である"戦隊"と"演劇"の部分をたくさん見れたらよかったかな~と思います。主に学園のラブロマンスに重きを置いてたように感じたので、正直言うと戦隊も演劇もどちらも無くても成立する内容でした。

とは言えやっぱり、戦隊パートでの技の名前を叫ぶシーンはコメディチックでおもしろかったですし、演劇パートでの攻略対象によって演劇の内容がちょっとだけ変わったり、立ち絵がちゃんと用意されていたり、頑張って作っててすごいなあと思いました。

 

肝心の百合要素ですが、かわいい女の子同士がいちゃいちゃしているのが好きな人にはあまり向いてないと思います。どちらかといえば、冒頭で書いたような宝塚系の男装女子が攻めの百合が好きな人におすすめしたいです。あと、主人公が一人しかいないためハーレム感が強くなってます。カップリング要素が好きな人にはちょっと物足りないかもしれません。ただ、さっきも書いた通り、男装の麗人を攻略できるゲームはなかなか珍しいので、百合ゲーに慣れてきて、なんか変わったのやりたいなーってなったときにやりたい一本ですね。

 

ところで、みんな制服はスカートを履いているんですかね!?ただのわたしの性癖なんですけどスカート履いてたら萌えますね。女学院なのでスカート丈は長いんでしょうね、きっと(偏見)でも姫子さんがスラックス履いてたらそれもそれでドキドキします。姫子さんスラックス履いてくれないかな~~~~!!??

そうですよね、すみません……。