フリー百合ゲージャーニー

旅することでやっとこさ自分になれる

1本目「キャバ嬢 A GOGO !!」

 

たまに(いつも)どうしようもないくらい思うことがあります。「百合を浴びたい……!!」と。でも気になっている百合ゲーたちがプレミアついてて高額だったり、もう手に入らないようなハードだったりするんですよね……そこでお金もかからなくてPCで気軽にプレイできそうなフリーゲームに目を付けたわけなんです。好みのフリー百合ゲーだったら「無料でこんなに尊いの摂取していいんですか~~!?」ってなるし、好みのフリー百合ゲーじゃなかったら「まあ無料だしいいか!!」ってなりますし!!
というわけでふりーむ!の百合カテゴリーにあるフリーゲームを古い順からやっていこうという考えに至りまして、記念すべき1本目は2004年に製作された、豪腕はりー様の「キャバ嬢 A GOGO !!」でございます。
 
キャバクラって陰キャオタクの自分とは縁遠い世界だと思っていたのでドラマや映画での、ドンペリで喜ぶキャバ嬢たちとか、飲んでコールのやつとか、本当にそれくらいの知識しかないんです。特に、今でも飲んでコールは都市伝説かなんかだと思っています……。本当にするのかな……??
そんなミリしら世界のキャバクラが舞台(しかもちょい百合あり)と聞いて、うわ~、ぎすぎす系百合かな??とかすこし心配していたんですが、まあなんと、とりこし苦労でした!!私が想像していたような女同士のぎすぎすもほぼ無く、ギャグとシリアスがいい塩梅で楽し気に展開されていくので陰キャの私でも、このキャバクラだったら働いてみたい!!と思いました。いい意味でリアリティがないので、スッと飲み込みやすかったです。
プレイ時間は1人攻略した時点では1時間30分くらい。全エンド(メイン3人+隠し?2人)クリアで4時間30分くらいになりました。システムがYuuki! Novelなので既読スキップできなくて周回が大変でした。
 
では、詳しく振り返ってみようと思います。
ネタバレもあるので注意です。
 

舞台はキャバクラ『ふらわ~倶楽部』。黒服のジンさんがキャバクラのシステムを説明してくれます。特別な日にはメイドやナースのコスプレをしてくれるみたいなんですが、キャバクラってそんなにコンカフェとかと変わらないのかな??料金を払って限られた時間の中で女の子とお喋りする、という点が同じような気がします。違ったらごめんなさい……。
 

そんな職場で働く新人キャバ嬢『さくら』。もちろん源氏名。女の子たちに囲まれて働いてます。百合ゲーには女と女がいないと始まりませんからね。女はいればいるほどいいんです(?)
さくらは本作の主人公なんですが、最初はあまりさくらについての過去が明かされません。全ルートを見ることでやっと過去が明らかになっていく、というスタイルです。とても明るく竹を割ったような性格の彼女ですが、簡単に言えば、将来を誓い合った男に騙されて自殺しようとした(本当に簡単に言えば、です。実際はもっと色々あります。)なかなかハードな過去を持っています。それでもキャバクラで働いて男たちの相手をして、しかも素直にキャバ嬢の仕事に誇りをもって楽しんでいるのがすごいです。えらいです。
でもこの子、女の子たちに(主に百合姉に)卑猥なセリフを言ったり、スキンシップをぐいぐいと行ったりするのです……。ゲーム説明に書いてある「ちょっと百合あり」のちょっとの要素は全部このさくらによるセクハラだったりします。笑。
 

攻略対象その1。百合姉です。ノンケなので自分の名前に不満があるようです。27歳ですが年増担当です。
ルートを進めると分かるのですが、さくらが自殺しようとしていたところを止めた過去があります。そのせいか、さくらにとてもなつかれています。というかセクハラされてますね。女子校でもモテモテだったせいか、まんざらでもない様子ですが。笑
わたしはこの作品の中では百合姉がいちばん好きです。こういう、フェミニストさん(?)が好きそうなかっこいい知的な女キャラが好きなんですよね。とても分かりやすい性癖……。
キャバクラという仕事を男たちにけなされたときの対応がとても素敵で、こういう女になりたいな~~!!!!そのあとの、この画像のセリフが百合姉らしくて好きでした。
 

攻略対象その2。桃ちゃんです。きゃわたんなロリ担当です。実際の年齢は……秘密にしときましょう……。うさぎちゃんのライターを使ってます。どすを持ち歩いてます。桃ちゃんのお兄さんはガチで触れてはいけないヤバめな人なので、しょうもないヤクザは逃げていきます。それが面白いです。
さくらと桃ちゃんは、いちゃいちゃちゅっちゅの関係が似合いますね。なんか中学とかでやたらと手をつないだり、ほっぺにちゅってする女友達いませんでした??それに近いですね。きゃわいい☆
 

攻略対象その3。隠しキャラ扱いなのかな?でも割と最初のほうからいます。後輩の蘭ちゃんです。シャイですが多分いちばんまともな子です。
ボーイッシュな見た目の女の子すきなんですよわたし~~!!しかもおとなしめな性格なのに赤髪って珍しくてとっても大好きです!!
でもルートを進めていくと、この子も父親に性的に乱暴なことをされたという過去持ちで、男が苦手っていうところはなんとなく昔のさくらと重なる部分がありますね。さくらが蘭にキャバクラの矜持を語るシーンは、さくらが百合姉に教えてもらった矜持の内容と一緒で思わず目頭を押さえてしまいました。熱い……!!でも最後は職場でいちゃついてて笑っちゃいました。蘭ちゃんにも甘える相手ができてほっとしました。
 

攻略対象その4。作画があきらかに違いますが多分隠しキャラのアザミです。ちくちく言葉で攻撃してきます。それもそのはず、さくらが昔付き合っていた男の浮気相手です。いや、そんな女攻略するなよって感じですが。笑
かわいく言えば”ライバル”の二人なので顔を合わせばいがみ合います。でもキャバクラという仕事に誇りを持っているという点では同じなので、キャバクラを馬鹿にしてきた男には二人で反撃します。こういうシスターフッド的なエピソードがもっと見たかったです。
 

攻略対象その5。黒服のジンさんです。男は攻略しないっていうルールを設けていたんですが、他のルートを進めていくうちに、やさしくて苦労性な部分がおもしろいな~と思ってつい攻略しちゃいました。あと銀髪褐色が好みだった。
すごくピュアなルートでよかったです。職場恋愛は禁止です!!と言いながらもさくらに丸め込まれるジンさん……苦労している男ですね……。
でもやっぱり百合を浴びたい……!!!!おんなだ!!!!おんなを寄越せ!!!!
ジンさんごめんなさい……。
 
 
キャラはこんな感じでした。みんな個性的で魅力的でしたね!
 
ここから割と辛口になります。
 
ストーリーはテンポよく進み、いつの間にか終わっていてびっくりしたくらいおもしろかったです。ゲーム本編はそんな感じでよかったのですが、作者のあとがきを読んで、うわあ……ってなったので吐き出しますね。
時代が時代なので(オタク=キモイと思われてた時代)仕方ないとは思います。そのせいかは分かりませんが、作者さんはオタクの趣味が理解できないと言います。これが私には見栄を張っているようにしか思えなくてもやもやしました。今思えば、ゲーム中でもオタクを馬鹿にしたセリフがところどころに見受けられました。これはキャラクターが言っているんだと思って受け流していましたが、作者本人の気持ちだったんだ……とわかると少し萎えますね……。オタクを恥ずな。
それと作者さんはキャバクラが大好きでよく通っていると言ってた割に、キャバ嬢には場違いなリクルートスーツみたいな服とオタク趣味丸出しの髪型と癖のある特徴的な喋り方が、本当にキャバクラのこと知り尽くしてるのか??と疑問でした。ただ美少女ゲームをキャバクラ版でやりたかったんだろうなあ、と。(作者本人は美少女ゲームを否定してますが。)まあ、でも、わたしが知らないだけでこういうコンセプトのキャバクラが存在しているのかもしれないですね……。こんなキャバクラあったら行ってみたいですもん。
 
あと、不満があるとすれば、絵柄が統一されていない、または表情差分がセリフや雰囲気とあっていないことですかね。絵って描くの凄い大変だと思うんです。でも明らかに、不細工な男を描きたくないという製作者の気持ちがでてしまってて、良くないと思うんです。せめてアザミは攻略対象なんだからメインキャラと同じ絵柄がよかったんじゃないかな……。
BGMも、シリアスなとこでギャグっぽいやつが流れたり、よくわからない場面でホラーテイストの曲が流れたり、ところどころ合っていないように感じました。
 
 
でも!!そんな細かいとこはどうでもいいくらいにはプレイしてて楽しかったです!!あとは百合!!百合がもっとあれば!!
 

 
はい……。ごめんなさい……。